※この記事はプロモーションを含みます。
【同志少女よ、敵を撃て】読み終わりました~!
すっごい疲労感(笑)
だけど色々考えさせられ、読み手の想像力を搔き立てるような本当によい良書でした。
この記事は【同志少女よ敵を撃て】を読んだ感想をまとめており、ネタバレも含みますのでご注意ください。
また、ミハイルの最後や、本当の敵についても考察しています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😀
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目次
同志少女よ敵を撃てのネタバレありストーリー紹介
小さな村で、猟師の母の娘として生まれた少女「セラフィマ」は将来、外交官になる夢をもっていました。
そんななか始まったソ連とドイツの戦争。
ある日、セラフィマの村はドイツ軍に占拠され、村人のほとんどが殺されました。
そこでセラフィマがドイツ軍に犯されそうになったとき、ソ連の赤軍に助けられ、ひとりの女性兵士に尋ねられます。
「生きて戦うか、ここで死ぬか。」
たったひとつの形見とも言える家族写真を捨てられセラフィマは怒りのままに、たったひとりの家族だった母を殺した男と、この女性兵士イリーナも殺すことを心に誓うのでした。
そして連れてこられたのは、女性ばかりの狙撃手を育てる訓練学校。
つらい訓練も耐えて、戦争で戦うための技術を習得していきました。
だけどやむなく戦争に駆り出され、セラフィマや訓練学校でいっしょだった仲間たちは、狙撃手として戦います。
人を殺めるという感覚はだんだんと鈍っていき、敵を殺した数をスコアでかぞえ、その数で狙撃手としての力量を図っていました。
そんななか、セラフィマは戦争という異質の空間で、女性がないがしろにされる場面をいくつも見てきました。
【女性を守るために戦う】
そう誓ったセラフィマは、今日も女性のためにスコープを覗き銃をかまえ、敵に狙いをさだめるのでした。
同志少女よ敵を撃てネタバレ詳細と考察!感想あり
いや~色々考えさせられるお話でしたね…
私は戦争を体験したことがない世代です。
だけどなんとなく戦争は良くないと教え伝えられ、今日を平和に生きています。
しかし直近ではロシアとウクライナの戦争が実際に起きており、戦争について考えさせられる日々が続いていました。
そんななか、ふと手に取ったこの【同志少女よ、敵を撃て】
色んな人の感情や、どうしようもない環境など、自分がそうだったら…と考えても想像もできないことをたくさん疑似体験できました。
そして、この本のなかでもとくに印象に残った話にしぼって、感想を述べたいと思います。
ネタバレ要素も含みますのでお気を付けください。
ネタバレ➀敵の男イェーガーと寝る女サンドラ
ドイツとソ連の領地を行き来するサンドラという女性がいました。
サンドラはロシア人でありながら、ドイツ軍のイェーガーという男と体の関係をもっていました。
言葉は通じなくとも、ふたりは愛し合っていたのです。
敵同士でも恋に落ちることはあるよな~と短絡的に考えていた矢先、その領地での戦いが終わるころ、衝撃の事実がわかるのです。
それは、サンドラが妊娠していたということ。
それも、相手はイェーガーではなく、戦争で死んだ前夫の子。
この事実を知ったとき、なんだか一気に感情がぐちゃぐちゃになりました。
お腹の子を守るため?
イェーガーのこと愛してた?
まわりを敵に回しても生き延びる母のつよさ
子どもを守るため、生き延びるために自分はサンドラと同じことができるだろうか…
そう考えれば考えるほど、母の子への愛を一層つよく感じてしまいました。
ネタバレ②幼馴染ミハイルの最後はなぜ?
セラフィマと同じ村の生き残りである幼馴染ミハイル。
戦争がなければ、将来はセラフィマと結婚するつもりでした。
そして戦争のさなか、ミハイルとセラフィマは生きて出会うことができました。
ただお互いに、戦争によって変わってしまった考えや違和感を埋めることはできず…。
ミハイルはセラフィマが狙撃手としてスコア(敵を殺した数)を自慢することに、嫌悪感を抱いてしまいました。
いっぽうセラフィマは、戦争内での女性への暴力についてミハイルに問います。
セラフィマ:「あなたはどんな状況でも女性を辱めたりしない?」
ミハイル:「もちろん、死んだ方がマシだ」
しかしミハイルは、ある領地での戦争に勝ったとき、ドイツ人女性に乱暴しようとしていました。
セラフィマは狙撃のスコープでその姿を見てしまいました。
軍隊という特殊な状況下で、やさしいミハイルも悪魔と化してしまったというわけです。
それほどにも戦争は、人間の心や考え方を180°変えてしまうのかと怖くなりました。
そしてセラフィマは女性を守るため、銃をかまえます。
その銃弾はミハイルの頭を貫いたのでした。
同じ村で育ち、結婚まで約束していたふたりの最後は、戦争によってなんとも悲しく悲痛なものとなってしまいましたね…。
ネタバレ③戦争が終わったあとの戦い
戦争が終わったあとも戦いはつづきます。
心の傷はそう簡単には治りません。
狙撃訓練学校の仲間であったママ(ヤ―ナ)とシャルロッタは、戦後パン工場で働きます。
子どものために戦うと誓ったママは、戦後も人を殺めたことに悩み、苦しんでいました。
そんなママを支えたのはシャルロッタ。
狙撃手の女性は、戦後「魔女」などと呼ばれ毛嫌いされていましたが、シャルロッタはその持ち前の明るさで皆から好かれていました。
戦争が起きて終わったとしても、実は戦いつづけなければならないのです。
心に大きな影響を及ぼしてしまう戦争は、戦後も苦しみから逃れられない…
あらためて戦争の恐ろしさをつよく感じました。
ネタバレ④セラフィマとイリーナの関係
イリーナを殺すため狙撃手となったセラフィマ。
ですが戦争を戦いぬいていくうちに、イリーナも自分と同じ女性を守るために戦っていたことを知りました。
「生きて戦うか、ここで死ぬか。」
ここで死ぬと答えた者には、怒りや復讐心をあおり、生きる気力を与えていたのでした。
ちなみに戦うことも死ぬのもイヤだと答えたターニャは、看護師として働けたことをイリーナに感謝していました。
そしてセラフィマのイリーナに対する感情は殺意、復讐心から、信頼、愛情へと変化していったのでした。
イリーナの気持ちが伝わって(殺されなくて)良かった…!
同志少女よ敵を撃ての「本当の真の敵」とは?
同志少女よ敵を撃ての「本当の敵」とは、まさに”戦争という名の環境”ではないでしょうか?
人格までも変えてしまうような出来事がたくさんありすぎて、主人公のほか、敵の人たちも、本来は誰も悪くないのではないかと感じてしまいました。
私自身、戦争で同じような環境になってしまったら、どんなことをしてしまうかも想像がつきません…。
追い詰められた時、人間は理性というタガが外れてしまうのかも。
そして我に返ったとき、後悔し心に傷を負ってしまうのでしょう。
【戦争は二度と繰り返してはいけない】
戦争経験者が語るこの言葉の意味が、この同志少女よ敵を撃てを読んで、少しは理解できたような気がします。
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「同志少女よ、敵を撃て」のネタバレまとめ
同志少女よ敵を撃ての本当の真の敵は【戦争という名の環境】
ポイント
- ネタバレ➀敵の男イェーガーと寝る女サンドラは自分の子供を守るための行動だった
- ネタバレ②女性に辱めをしないと約束したミハイルだったが、戦争によって変わってしまった
- ネタバレ③戦争が終わったあとも心の傷に苦しめられた
- ネタバレ④セラフィマとイリーナの関係は復讐から愛情へと変化していった
以上です。
興味のある方はぜひどうぞ~!
ありがとうございました。